熊野古道 大辺路 安居の渡し ― 2020年05月29日
紀伊山地の霊場と参詣道は、和歌山県・奈良県・三重県にまたがる3つの霊場(吉野・大峰、熊野三山、高野山)と参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道、高野参詣道)が世界遺産に登録されています。
前に映画のカテゴリーで書き込みました「道」の先例である「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の最終地であるスペインのガリシア州と、熊野古道の最終地である和歌山県とは、古道の最終地としての永続的な友好関係を確立するために、両古道の「姉妹道」提携を締結しています(^^)/
私、実は「和歌山県世界遺産マスター」なる資格を頂戴いたしまして、世界遺産保全啓発活動などをしております。何しろ広大な世界遺産ですので、「高野地区」と「熊野地区」に分かれてまして私、「高野地区」担当なんですが、もちろん熊野古道の方も大好きです。
熊野古道とは、主に次の6つの道を指します。
紀伊路(渡辺津 ~ 田辺) ※世界遺産登録に含まれていない
小辺路(高野山 ~ 熊野三山、約70km)
中辺路(田辺 ~ 熊野三山)
大辺路(田辺 ~ 串本 ~ 熊野三山、約120km)
伊勢路(伊勢神宮 ~ 熊野三山、約160km)
大峯奥駈道 (吉野 ~ 熊野三山)
皆さん、熊野古道って紀伊山地の山の中、ひたすら歩く道って思ってますよね。まあそうなんですけど・・・大辺路に日置川を渡る渡し舟区間があります。仏坂の入り口です。
大辺路街道で唯一、川を舟で渡る「安居の渡し」があります。
昔ながらの川舟で日置川の清流を渡ることができるんですよー♪
安全確保のため船頭さんは2名体制です。
渡し場跡からは仏坂の登りを一気に登ります。ここから、すさみ町の入谷までの間は、自然林に囲まれた尾根道、石畳道が続いて南紀の美しい自然と、歴史を感じることができます。
以前、和歌山市の旅行代理店で勤務していた時、和歌山大学のインターンシップ生を指導して、
国土交通省主催の「水の里の旅コンテスト」に応募するため、現地を視察しました。
↑ 乗船券です。もちろん記念にお持ち帰りです。
今回の写真はその時のものです。
コンテスト結果は、学生部門で受賞致しました(^^)/
百間山渓谷のウオーキングも含めた、いいツアーですよ。
国土交通省のホームページから見てあげてくださいませ。
http://mizunosato-ouen.jp/wp/wp-content/uploads/2018/12/b9f1275a43a84ad2351549f96c10f315.pdf
紫陽花の季節 ― 2020年05月27日
絶景の庭園から 明日がみえますか? ― 2020年05月24日
昔、初めてヴェルサイユ宮殿を訪問した時、宮殿そのものよりもお庭に圧倒されてしまいました。
特に、「緑の絨毯」とも呼ばれる、中央部分の芝生。全長335m、幅40m。その両側に彫刻を配して圧倒的スケールでした。やるなー、ルイ14世とやら。
我が家の車1台が停められる広さを誇るお庭に、私も芝生を植えてみました。
少し違う。。なんだか違う。。。いーや、全然違うではないかあ!って・・・
でもガーデニングって楽しいですよね。(新型コロナ期間、やること庭の雑草むしり・・そればっかり)西洋の庭園も美しいのですが、今は日本庭園にも惹かれています。
日本の庭園って、大名庭園(普通、お城の近くにある)とか、お寺の庭園なんか有名所ありますよね。日本三名園と呼ばれる金沢市の兼六園、岡山市の後楽園、水戸市の偕楽園は全ていわゆる大名庭園。
お寺の庭園では、やはり京都市でしょうか。龍安寺方丈石庭、詩仙堂(一乗寺)、高桐院(大徳寺塔頭)などなど数多あります。
あと、美術館ですがお庭で有名になった島根県の足立美術館もスゴイですね。私、横山大観画伯、好きなので、そりゃもーたまりません(^^)/
私の故郷、和歌山市にもいい庭園がいくつかあります。
① 番所庭園 日本遺産「絶景の宝庫 和歌の浦」
万葉ゆかりの地でもありまして、神亀元年(724年)に、はるばる平城宮から聖武天皇が、お供の公家・宮廷人達と、和歌の浦に行幸されましたが、藤原卿がここ番所庭園の北側に広がる海「雑賀の浦」の漁火を見て、詠まれたと言われている次の歌は有名です。↓
紀の国の 雑賀(さひか)の浦(うら)に 出(い)で見れば
海女(あま)の燈火(ともしび) 波の間(ま)ゆ見ゆ
「番所庭園」は「番所の鼻」といい、平坦で海に長く突き出た地形のため、江戸時代に紀州藩が海の防備見張りのため遠見番所を設けた場所の一つです。(番所は十数か所あったといいます)
ここはその中でも、和歌山城に最も近い番所として重要でした。米国ペリーの来航(嘉永六年・1853年)を機に、紀州藩も本格的に海防に取り組み始めました。翌年、安政元年(1854年)に家老三浦長門守御持場「元番所お台場」が、庭園大芝生の所に構築されました。
その後、遠見番所は鷹の巣山頂(場所は近くです)へ移転したので、ここは「元番所」とも呼ばれたそうです。
↑ 私もそうなのですが・・・明日が見えない人、多くいらっしゃいますよね。
↓ 明日はどっちだーっ! (明日のジョー?)
低めの黒松と石が不規則に並んだ、芝山の眺めは白砂青松(白砂青松とは白砂と青々とした松で造形したもので、日本の美しい海岸の風景を見立てているそう)の様にも感じられます。
島根県の足立美術館の白砂青松を思い出したりも致します。
芝生だけでなく珍しい紀州青石(緑泥片岩)の海岸美も、素晴らしいです。
② 「養翠園庭園」 番所庭園から車で10分あれば行けます!
紀州徳川家・第十代藩主徳川治寶により造営された大名庭園です。
松を主体として約33,000㎡の広さがありますが、ユニークなのは海の面している立地から、池に海水を取り入れた汐入りの池。これは珍しい!
関西花の寺 船宿寺 ― 2020年05月23日
「霊場巡り」ってありますよね。有名なのは「四国八十八か所」とか「西国三十三か所」とか。
それらとは少し切り口の違う、お寺の廻りかたで、「ボタン寺」、「アジサイ寺」など、「花の寺」と称される関西一円2府4県の25ヵ寺が集まって「関西花の寺二十五カ所霊場会」というグループがあります。宗旨宗派の垣根を超えた花がご縁のお寺です。それぞれに自慢のお花が咲き誇り、その季節に巡っていくのは楽しいものです。
私、まだ、全部の巡礼達成できていないのですが、訪問したお寺の中で印象的だった一つが「船宿寺(せんしゅくじ)」です。船宿寺は、奈良県御所市五百家にある高野山真言宗の寺院です。
寺伝によると、東大寺の再建に力を尽くした行基が葛城の地を訪れた際に夢枕に老人が現れ、「ここから東の山に船形の石がある。その上に薬師如来像を祀るように」と告げられた。行基は、これに従い、お告げ通りに発見された石の付近に庵を建てたのが始まりとされるそうです。
緩やかな傾斜地に山門や本堂、鐘楼が配置されている優雅なお寺です。
で、お花ですが1,000株ものツツジやサツキが咲き乱れています。裏山を借景にした池泉回遊式庭園も素晴らしいです。本堂前の広場からは西方に葛城山や金剛山が眺められます
本堂前広場の東南隅や本堂下の石段の上がり口には大手毬!これがまた盛大に花をつけて美しいです。
また、寺務所の北側や境内のはずれと思われる西側の場所にも、多くの花が植えられていて、四季それぞれの花を見ることができるまさに花の寺の決定版かと。
新型コロナ、収束したら是非に。ご本尊は「薬師如来」そこから山号が「医王山」。病気平癒を願いたいと思います。
主たる花
ツツジ・ヒラドツツジ・クルメツツジ・キリシマツツジ・サツキ
四季の花
サザンカ・クリンソウ・ロウバイ・サルスベリ・オオデマリ・サクラ・シャクナゲ・シャクヤク・ツバキ・ヤマボウシ・紅葉・ボタン
御朱印帳もステキです。貼り付け式なのが少しだけ残念なのですが。。
古代との対話 ~ゲンセツに行きたい ― 2020年05月22日
葛城古道を歩く 高鴨神社~高天彦神社~葛木御歳神社 ― 2020年05月20日
手塚漫画と明日香村 謎の石造物 ― 2020年05月18日
過去の部分では、西暦663年、白村江の戦いで倭・百済軍が唐・新羅連合軍に惨敗しするところからお話は始まります。百済王一族の兵士・ハリマは、唐軍に捕らえられ、生きながらに顔の皮をはがれ、狼の皮を被せられてしまいます。狼の顔を持ったハリマは、不思議な老婆に助けられ、老婆、そして瀕死のところを助けた大将軍、阿倍比羅夫と共に倭国へやってきます。物語の舞台は当然、飛鳥の都になります。
日本古来の産土神(漫画では狗族という狐っぽい一族)と仏教の四天王が、実際に戦ったり、当時の仏教が日本に浸透し、天智天皇やら大海人皇子も登場して、仏教が災いになるだの、いや仏教に帰依するだのといった混乱が描かれています。
飛鳥資料館に展示されている石人像 ↑
岩に座った男性に女性が後ろから手をそえているのでしょうか。男性の足元から口まで内部に細い管が通り、途中で女性の口にも分岐しているのだそうで、噴水施設であったと推測されています。
ブラタモリでなんか実験やってましたね。。石人像の風貌から男女のモデルをペルシャ・インドに求める説もあります。うーむ、この時代に遠路はるばる。。。聖徳太子ペルシャ人説、ゾロアスター教説なんかも興味あります('ω')
本薬師寺跡 ホテイアオイ ― 2020年05月18日
少し前からインスタ映えがするーということで、茨城県「国営ひたち海浜公園」のネモフィラが大人気でした。和名は瑠璃唐草。見頃は4月後半からゴールデンウィークにかけてのひと月ぐらいです。
関西も、大阪でそれにあやかるべくオープンさせたのが「大阪まいしまシーサイドパーク」のネモフィラ祭りです!もともとこの場所は「ゆり園」があったのですが、台風の影響でアウトに。その後に始めたものです。2019年に行って来ました。よかったです。
そんな方きっと大勢いらっしゃると思います!
そこで、今年久しぶりに行って見ようかなと思っていますのが、奈良橿原市にある本薬師寺跡のホテイアオイです!
新型コロナウイルス、まだまだ油断できませんが、花の開花は8月の後半~9月。
その時の状況次第ですが。。。
本薬師寺は、現在奈良市の西の京にある薬師寺の前身にあたる寺です。
平城遷都に伴って寺は伽藍ともども西の京へ移築されたと言われていましたが、別々に造られたという説が有力です!なのでこのお寺は本薬師寺(もとやくしじ)と呼ばれるようになったそうです。
現在はは小さな堂が建っているのみですが、当時は、金堂や東西に二つの塔があったそうです。
背景には畝傍山や遠方には二上山も望めます。
新型コロナが完全に終息していることを祈りつつ。。。
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