映画で旅する世界遺産 第1回 ツーリスト2020年05月04日

私、長らく旅行会社で働いた後、専門学校で観光ビジネスの講師を務めておりました。研究テーマは「世界遺産」です。今、観光産業も大きなダメージをを受けている新型コロナウイルスで、皆さんもステイホームされているのではないかと思います。せめて自宅で映画でも観て「世界遺産」をはじめとする世界の絶景や、歴史・文化を訪ねてみませんか~?
映画の舞台、ロケ地で世界遺産が使われているものをピックアップしますが、ストーリー紹介は最低限度に抑えます(^^)/

第1回はイタリア 、世界文化遺産「ヴェネチアとその潟」を舞台に繰り広げられるミステリー映画「ツーリスト」です。主演はジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリー
世界遺産には10項目の登録基準があります。世界文化遺産にはそのうち6項目が適用されるのですが、現在約1,000件以上ある世界遺産の中で6項目全てを満たしているものは、ヴェネツィアの他、中国の「敦煌の莫高窟」と「泰山」の3件です。素晴らしい!

映画のストーリーですが、警察にマークされる美女(アンジェリーナ・ジョリー)がパリ・リヨン駅からベネチア行きの列車に乗り込みます。
謎の美女は失踪中の彼氏アレクサンダー・ピアースから、列車の中で自分に体格が似た男に声をけるようにと、謎のメーッセージを受け取ります。
彼女が声をかけたのはアメリカ人ツーリスト、フランク(ジョニー・デップ)でした。
そしてヴェネチアのサンタルチア駅に到着。
ヴェネチアでは車は街の入口にあるローマ広場までしか入れません。街中の移動手段は運河を運行する水上バス(ヴァポレット)、水上タクシー、ゴンドラ等の船利用となりますが、映画でも多く登場します。
いったん列車で美女と別れたフランクですが、地図を片手に迷っていると再び彼女が登場!
「ご一緒にどう?」ってフランクにとってなかなかうれしい展開に。。
で、二人がチェックインするホテルがこちらのホテルダニエリです。
ヴェネチア共和国時代のダンドロ総督の邸宅だった、ヴェニスを代表するクラシックホテルの一つです。
19世紀に建物が改装され、ホテルとしての歴史はそこから始まっています。
観光地としても有名なサン・マルコ広場も徒歩数分ですが、今(2020年4月)、新型コロナウイルスによる影響で全くの無人に近い状況が寂しい限りです。
フランクは失踪中の彼氏、アレクサンダー・ピアースが整形している男と疑われ、ギャングに追い詰めらて行くのです。ホテルを脱出して屋根伝に必死に逃亡していきます。このときヴェネチアの街並みがよくわかります。
ヴェネチアの街の中心は大運河(カナル・グランデ)ですが、ボートに乗って逃げるアクションシーンでは、細い水路にも突入して、見せ場を作ります。この街がまさに水の都であることがよくわかります。
ほぼ全編ヴェネチア・ロケのこの作品を見れば、ヴェネチアの街の魅力がとても伝わってきますのでお勧めです。
うまくロケされていて、見ていて違和感がないのですが、もちろん現実にはちょっと違う点はいっぱいあります(その場所から、そこへの距離がかなり違うとか)。
そのあたりは是非、いつか現地を訪問してご確認するのも楽しいかと思います。
この映画のオチ(どんでん返し)大好きです! 是非ご覧くださいませ。