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ジャズの曲って基本的に何でもありです。ジャズ・ミュージシャンが作曲した有名曲も、もちろんいっぱいありますが、ほかのジャンルから持ってきたものもいっぱいあります。ミュージカルだの、クラシックだの、ポピュラーだの。
日本人ジャズ・ミュージシャンに至っては、日本の民謡まで取り込んだりしてます(‘ω’)
今回のアルバムは、キースジャレットの「Somewhere Before」、曲は「My Back Pages」です。
アルバム・タイトルは「昔・・どこかで」みたいな感じでしょうか。で、「My Back Pages」はボブ・ディランの曲です。
チャーリー・ヘイデンの重~い、重いベース・ソロから始まり、ピアノとドラムが加わっていくこのイントロが、く~、たまらん!そのピアノの旋律で、切ない青春の思い出が蘇ります。
最後に、拍手が聞こえてきますが、それでこの演奏がライブだということもわかります。
通常ライブならライブと、どこかにクレジットされているのですが、ジャケットには、いつどこそこでのライブとか全く記載はございませんし、ライナーノートには解説の最後に、初のライブアルバムとだけ記載がありました。
↓ アルバム・ジャケットもセピア色でノスタルジックで素敵です。
1. My Back Pages
2. Pretty Ballad
3. Moving Soon
4. Somewhere Before
5. New Rag
6. A Moment For Tears
7. Pouts' Over (And The Day's Not Through)
8. Dedicated To You
9. Old Rag
全9曲のうち7曲がジャレットのオリジナルで、オリジナルでないのが、この「My Back Pages」と「Dedicated to You」の2曲です。
で、元のボブ・ディランバージョンは「Another Side Of Bob Dylan」(1964年)というアルバムに収録されていまして、聴いてみたのですが、そっちの感想はというと、「う~む・・・・」でございます。
ボブ・ディランはご存じのように、2016年歌手として初めてノーベル文学賞を受賞しています!
これはなかなかスゴイことだと思っています。
ノーベル文学賞ですよ!つまり歌詞が優れていると!
ボブ・ディランは「風に吹かれて」「時代は変る」「ミスター・タンブリン・マン」「ライク・ア・ローリング・ストーン」「見張塔からずっと」「天国への扉」などなど多数の楽曲により、1962年のレコードデビュー以来、半世紀以上にわたり多大な影響をミュージシャンにも、リスナーにも与えてまいりました。
ガロなるグループの『学生街の喫茶店』のフレーズ「学生でにぎやかなこの店のかたすみで聴いていたボブ・ディラン♪」というのがありましたが、あの頃(1960~70年代)の若者文化において、ボブ・ディランというアーティストの影響力はかなりあったと思います。
しかし、さすがノーベル文学賞、歌詞が・・・詩が難解です。。。(‘ω’)私には。。
My Back Pagesの歌詞です↓
Crimson flames tied through my ears
Rollin' high and mighty traps
Pounced with fire on flaming roads
Using ideas as my maps
"We'll meet on edges, soon," said
I
Proud 'neath heated brow.
Ah, but I was so much older then, ← ああ、けれど当時の私は老いぼれだった
I'm younger than that now. 今の方がずっと若い (この繰り返し部分以外よくわからん)
Half-wracked prejudice leaped forth
"Rip down all hate," I screamed
Lies that life is black and white
Spoke from my skull. I dreamed
Romantic facts of musketeers
Foundationed deep, somehow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
Girls' faces formed the forward path
From phony jealousy
To memorizing politics
Of ancient history
Flung down by corpse evangelists
Unthought of, though, somehow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
A self-ordained professor's tongue
Too serious to fool
Spouted out that liberty
Is just equality in school
"Equality," I spoke the word
As if a wedding vow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
In a soldier's stance, I aimed my hand
At the mongrel dogs who teach
Fearing not that I'd become my enemy
In the instant that I preach
My existence led by confusion boats
Mutiny from stern to bow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
Yes, my God stood hard when abstract
threats
Too noble to neglect
Deceived me into thinking
I had something to protect
Good and bad, I defined these terms
Quite clear, no doubt, somehow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
あの頃自分はあんなことをした、あんなことを言ったり、考えたりしていた。あんな奴らもいたかな...と昔を振り返っていますが、リフレイン部分が「あの頃は俺も若造だったぜ」という言い方ではなくて、「あの頃よりも今の方がずっと若いぜ」となっていて、若いくせに成熟した考え方をしたり、行動していたかつての自分に対する反省?そして年寄り臭い分別めいた生き方は止めるぞ~、という意味なのか。う~む。。。
まあ、キース・ジャレットの方は歌詞などございませんので、美しいメロディを楽しむだけなのですが。
この曲はジャズ・ミュージシャンが取り上げて、ヴォーカルなしで演奏して、美しくなるような気が・・ディランさん、歌詞を無視してゴメンなさい!
なのでもう一枚、この曲「My Back Pages」が入っていて好きなLPレコードを。
太田邦夫クインテット「俺たちの青春」・・・なんという恥ずかしいタイトルでしょうか。
でも、これは「My Back Pages」の訳文みたいです。(昔、そんなテレビドラマもありました・・)
こちらでは、テナーサックスでメロディを歌い上げいて、ちょっと涙ぐみます。。。
Jazz この1枚・この1曲 Because Of You (Jos Van Beest) ― 2020年07月16日
(Words by Alan & Marilyn Bergman / Music by Michel Legrand)
演奏はピアノトリオで、美しい旋律がそれはもうロマンティックに。。。
この名曲は多くのジャズマンにも取り上げられて演奏も多数ありますが、これが一番のお気に入りでございます。
歌詞もありまして次の通りです ↓
What are you doing the rest of your life?
North and south and east and west of your
life?
I have only one request of your life
That you spend it all with me. ← く~っ たまらん!
All the seasons and the times of your days.
All the nickels and the dimes of your days.
Let the reasons and the rhymes of your
days.
All begin and end with me.
I want to see your face,
In every kind of light,
In fields of gold and
Forests of the night;
And when you stand before
The candles on a cake.Oh let me be the one to hear
The silent wish you make.
Those tomorrows waiting deep in your eyes
In the world of love you keep in your eyes,
Ill awaken what's asleep in your eyes,
It may take a kiss or two..
Through all of my life..
Summer, winter, spring and fall of my life,
All I ever will recall of my life
Is all of my life with you.
で、このピアニストを発掘して日本に紹介、CDを発売されておられますのが大阪の澤野商会さんです。
初めて店舗をお訪ねしたときは、(噂には聞いていましたが・・・)衝撃でした!
何しろ本業は履物屋(下駄屋)さんなのです。。。 ↓
↑ ご本も出しておられます
雨降りだからジャズでも聴こう ― 2020年06月18日
2020年6月18日・・・今日は終日雨でした。
雨の日、基本的に外出しない。気分はどちらかといえば鬱。そんなとこでしょうか。
雨の日、遊びで外出して気分もウキウキだぜーは、まあ普通ないでしょう。。
植草甚一さんの「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」(晶文社)という本があります。
↓ 私が持っているのは単行本の方です。
この本のタイトルがおしゃれやなあ。というわけでパクりました。いやすでに多くの方が「雨降りだから~しよう」とパクりまくっている気がします。
で、音楽JAZZなど聞いて過ごそーという段取りなのですが。とりあえず何を聴くか?
曲から入ることにしましょう。雨にひっかけて "Here's That
Rainy Day" の入っているアルバムでいこう。
楽器はギターが気分かな。ウエス・モンゴメリーにもありますが、ウエスは乾いたイメージにつき、ケニー・バレルで決定~!アルバムは “Soul Call” "Here's That Rainy Day" は6曲目に入っています。よし!
で、聞きながら読書です。ここで、ハードなジャズファンからは「なんやとお~!流し聞きとは何事ぞ!一音も逃さぬようミュージシャンと対峙するのじゃあ!」とお叱りを受けるところなのですが、まあまあ・・・
ジャズのいいところは楽器だけで演奏されること。(いやジャズボーカルもありますけど、私あまりそっちは好きくないので。だってボーカルつまり歌詞があればそっちに気を取られちゃいますもんね。)
"Here's That Rainy Day" もほんとは歌詞つきです(^^♪
作詞/ジョニー・バーク Johnny
Burke
作曲/ジミー・ヴァン・ヒューゼン
Jimmy Van Heusen
歌詞は ↓
Maybe I should have saved those leftover
dreams
Funny but here's that rainy day
Here's that rainy day they told me about
And I laughed at the thought That it might
turn out this way
Where is that worn out wish that I threw
aside
After it brought my love so near
Funny how love becomes a cold rainy day
Funny that rainy day is here
It's funny how love becomes a cold rainy
day
Funny that rainy day is here
ケニー・バレルといえば1963年録音、Blue Noteの有名盤 “Midnight Blue” がありますが、
“Soul Call” は1964年録音の Prestige 盤です。録音エンジニアはどちらも Rudy Van Gelder。楽器編成もほぼ同じですが、“Soul Call” はサックスが入っていませんので、よりケニー・バレルのギターサウンドを堪能できます。うん、いいチョイスやな!(^^)!
で、本ですが、何にしようかな。。。
古代史が好きなので、梅原猛さんの著書の中から「神々の流竄」(集英社文庫)でも。梅原さんの著作、文体独特の癖があってなかなか手ごわいのですがまあ面白いです。
ジャズと映画 part3 坂道のアポロン ― 2020年06月16日
映画「坂道のアポロン」を観ました。アニメもありますが実写版です。
2018年公開映画ですので、全然旬な話題ではないのですが。。だって知らなかったんですもの。だってその頃はまだ忙しかったんですもの。。。
原作は小玉ユキさんによる漫画で、「このマンガがすごい! 2009」オンナ編で1位を獲得、第57回小学館漫画賞一般向け部門を受賞というなかなかの作品だったのでございます。
(以下、どうしても多少ネタバレになります。。。)
青春映画ですね。人間関係は、概ねこんな感じ。
ピアノ ドラム ボーカル
西見 薫→ 友情 ←川渕 千太郎← 幼馴染💛 迎 律子
↓尊敬 ↓💛 ↑親子
桂木 淳一←💛友里恵 迎 勉
トランペット 画学生 ベース
💛関係が典型的でわかりやすくてイイですね~ 薫は律子に💛です
東京のドクター、西見薫はピアノが特技らしく病院で子供に頼まれてちょこっと弾いてみたりしています。彼の机の上には高校時代の写真とロザリオが飾られています。。↓
時代設定とロケ地も最高です!(原作者の出身地)
1966年初夏、男子高校生・西見薫は、横須賀から長崎県の佐世保市にある佐世保東高校に転校、「坂道が忌々しい・・」とつぶやきながら通学している所から物語は始まります。
薫は学校の屋上で誰もが恐れる不良、千太郎と運命的な出会いをします。
薫はクラシックピアノが好きなのでした。↓
転校して、クラスメートからは「東京の方から来た、ぼんぼんらしかよー・・・」と陰口をたたかれる中、クラス委員の律子が親切なので、「レコードが買えるところは?」と聞きますと、「うちの家においでよ~」と言われて「それはいくらなんでも早すぎでは~💦」と思いつつ、お家に行きます。するとお家がレコード屋さん!というおちですね。 このレコード屋さんというのがイイですね。
そーそー。この時代、町には本屋さんがあるように、レコード屋さんがあったんですよ。
#1 モーニン(Moanin')
#2 サマータイム(summertime)
#3 いつか王子様が(Someday
My Prince Will Come)
#4 バット・ノット・フォー・ミー(But
not for me)
#5 バードランドの子守唄(Lullabys
of Birdland)
#6 ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ(You don't know what love is)
#7 ナウズ・ザ・タイム(Now's
the time)
#8 ジーズ・フーリッシュ・シングス(These
foolish things)
#9 ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー(Love
me or leave me)
#10 イン・ア・センチメンタル・ムード(In A Sentimental Mood)
#11 レフト・アローン(Left
Alone)
#12 オール・ブルース(All
Blues)
ジャズ と 映画 Part2 ― 2020年05月27日
前回(ジャズ と 映画)に書き忘れたのですが、映画「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」はジャズマン出演のフィクションドラマです。タイトルはセロニアス・モンクの名曲ですが、このブログタイトルもそれをもじってますです。はい('ω')
で、モンクの映画DVDを持ってました。「THELONIOUS MONK:STRAIGHT NO CHASER」(1988年)
セロニアス・モンクご本人出演のドキュメンタリーです。(当然、白黒画面ほとんど)
シャーロット・ズヴェリン監督でクリント・イーストウッド製作総指揮。
ホントにイーストウッドさんたらジャズがお好きなんですよね♪
マイルス・デイヴィスを描いたドキュメンタリー映画の日本劇場公開が決定!とのニュースを知ったものですから、これは行かねばなるまいと。。。
ドキュメンタリー映画「マイルス・デイヴィス クールの誕生」 (原題:MILES DAVIS: BIRTH OF THE COOL / 監督:スタンリー・ネルソン)の日本劇場公開がマイルスの94回目の誕生日である5月26日に発表されました。2020年9月4日から順次公開とのことでございます。
↑ そりゃもうジャズの雰囲気がプンプンと漂ってきそうな。。
マイルスといえば、その代表作の一つで、歴史的名盤といわれます「Kind of Blue」がありますが、そのレコーディング参加していたドラマー、ジミー・コブ氏が5月24日肺癌で亡くなったそうです。御年91歳!そのレコーディングの演奏メンバーは
マイルス・デイヴィス - トランペット
ジョン・コルトレーン - テナー・サックス
キャノンボール・アダレイ - アルト・サックス
ビル・エヴァンス - ピアノ
ウィントン・ケリー - ピアノ
ポール・チェンバース - ベース
ジミー・コブ - ドラム
といった面々だったのですが、実はこれで、演奏メンバー全員が亡くなったことになります。。。
ああ、時代が過ぎていく。
コブさん、当然上記映画にもご出演でしょうし、そういう意味でも必見となりました。
↑映画のトレーラーにも出演しているのを発見。最後の雄姿か。。
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