Jazz この1曲・この2枚 My Back Pages ― 2020年07月19日
ジャズの曲って基本的に何でもありです。ジャズ・ミュージシャンが作曲した有名曲も、もちろんいっぱいありますが、ほかのジャンルから持ってきたものもいっぱいあります。ミュージカルだの、クラシックだの、ポピュラーだの。
日本人ジャズ・ミュージシャンに至っては、日本の民謡まで取り込んだりしてます(‘ω’)
今回のアルバムは、キースジャレットの「Somewhere Before」、曲は「My Back Pages」です。
アルバム・タイトルは「昔・・どこかで」みたいな感じでしょうか。で、「My Back Pages」はボブ・ディランの曲です。
チャーリー・ヘイデンの重~い、重いベース・ソロから始まり、ピアノとドラムが加わっていくこのイントロが、く~、たまらん!そのピアノの旋律で、切ない青春の思い出が蘇ります。
最後に、拍手が聞こえてきますが、それでこの演奏がライブだということもわかります。
通常ライブならライブと、どこかにクレジットされているのですが、ジャケットには、いつどこそこでのライブとか全く記載はございませんし、ライナーノートには解説の最後に、初のライブアルバムとだけ記載がありました。
↓ アルバム・ジャケットもセピア色でノスタルジックで素敵です。
1. My Back Pages
2. Pretty Ballad
3. Moving Soon
4. Somewhere Before
5. New Rag
6. A Moment For Tears
7. Pouts' Over (And The Day's Not Through)
8. Dedicated To You
9. Old Rag
全9曲のうち7曲がジャレットのオリジナルで、オリジナルでないのが、この「My Back Pages」と「Dedicated to You」の2曲です。
で、元のボブ・ディランバージョンは「Another Side Of Bob Dylan」(1964年)というアルバムに収録されていまして、聴いてみたのですが、そっちの感想はというと、「う~む・・・・」でございます。
ボブ・ディランはご存じのように、2016年歌手として初めてノーベル文学賞を受賞しています!
これはなかなかスゴイことだと思っています。
ノーベル文学賞ですよ!つまり歌詞が優れていると!
ボブ・ディランは「風に吹かれて」「時代は変る」「ミスター・タンブリン・マン」「ライク・ア・ローリング・ストーン」「見張塔からずっと」「天国への扉」などなど多数の楽曲により、1962年のレコードデビュー以来、半世紀以上にわたり多大な影響をミュージシャンにも、リスナーにも与えてまいりました。
ガロなるグループの『学生街の喫茶店』のフレーズ「学生でにぎやかなこの店のかたすみで聴いていたボブ・ディラン♪」というのがありましたが、あの頃(1960~70年代)の若者文化において、ボブ・ディランというアーティストの影響力はかなりあったと思います。
しかし、さすがノーベル文学賞、歌詞が・・・詩が難解です。。。(‘ω’)私には。。
My Back Pagesの歌詞です↓
Crimson flames tied through my ears
Rollin' high and mighty traps
Pounced with fire on flaming roads
Using ideas as my maps
"We'll meet on edges, soon," said
I
Proud 'neath heated brow.
Ah, but I was so much older then, ← ああ、けれど当時の私は老いぼれだった
I'm younger than that now. 今の方がずっと若い (この繰り返し部分以外よくわからん)
Half-wracked prejudice leaped forth
"Rip down all hate," I screamed
Lies that life is black and white
Spoke from my skull. I dreamed
Romantic facts of musketeers
Foundationed deep, somehow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
Girls' faces formed the forward path
From phony jealousy
To memorizing politics
Of ancient history
Flung down by corpse evangelists
Unthought of, though, somehow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
A self-ordained professor's tongue
Too serious to fool
Spouted out that liberty
Is just equality in school
"Equality," I spoke the word
As if a wedding vow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
In a soldier's stance, I aimed my hand
At the mongrel dogs who teach
Fearing not that I'd become my enemy
In the instant that I preach
My existence led by confusion boats
Mutiny from stern to bow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
Yes, my God stood hard when abstract
threats
Too noble to neglect
Deceived me into thinking
I had something to protect
Good and bad, I defined these terms
Quite clear, no doubt, somehow.
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.
あの頃自分はあんなことをした、あんなことを言ったり、考えたりしていた。あんな奴らもいたかな...と昔を振り返っていますが、リフレイン部分が「あの頃は俺も若造だったぜ」という言い方ではなくて、「あの頃よりも今の方がずっと若いぜ」となっていて、若いくせに成熟した考え方をしたり、行動していたかつての自分に対する反省?そして年寄り臭い分別めいた生き方は止めるぞ~、という意味なのか。う~む。。。
まあ、キース・ジャレットの方は歌詞などございませんので、美しいメロディを楽しむだけなのですが。
この曲はジャズ・ミュージシャンが取り上げて、ヴォーカルなしで演奏して、美しくなるような気が・・ディランさん、歌詞を無視してゴメンなさい!
なのでもう一枚、この曲「My Back Pages」が入っていて好きなLPレコードを。
太田邦夫クインテット「俺たちの青春」・・・なんという恥ずかしいタイトルでしょうか。
でも、これは「My Back Pages」の訳文みたいです。(昔、そんなテレビドラマもありました・・)
こちらでは、テナーサックスでメロディを歌い上げいて、ちょっと涙ぐみます。。。
最近のコメント