Jazz音楽とジャケットに関する一考察(1)2020年04月27日

今、音楽の聴き方が Spotify のようにダウンロードや配信サービスが中心になると、あんまり関係がないかもしれないのですが、以前、レコードやCDといったパーッケージで販売されていた時代、特にレコード時代、そのパッケージ、入れ物としての紙などに印刷されているジャケットデザインは音楽内容そのものと共に大事でした!

ジャズに限らず、どのジャンルでもそうだと思います。
通常は音楽内容をイメージして、そのアルバムジャケットをデザインしていると思います。
アイドル歌手のレコードは100%その歌手の顔写真で決まりです。
これがアンリ・ルソーの絵画ジャケットだったら誰もそんなもん買わん!

ジャズの場合ですが、これはもうけっこう何でもありですね!
ポピュラーなのはやはりミュージシャンが楽器を持っている肖像とか、演奏風景などでしょうか。でも幾何学的なデザインや絵画、風景写真、それらの組み合わせなどなど。

有名どころではブルーノートが、デザイン良しの代表と言われていますよね。
私も異議ないです。
個々のアルバムにおける音楽内容を超えて、ジャズそのものの雰囲気を漂わせています。

しかしながら、他レーベルではこれはいかがなものか。。。と思わせるのも。
その代表が PABLO と Stepple Chase ですね。
特にノーマン・グランツ率いる PABLO!
そのほとんどがミュージシャンの顔写真又は演奏風景です。
が、それはまあいいとしましょう。
モントルーでのジャズフェスティバルを録音したシリーズがあったのですが、例えば1975年はこーんなかんじで ↓ 全て統一されてます。


それが1977年には

 
↑ これ、あまりにもひどくないですか? 私、左上のトミーフラナガン持ってますけど購入するとき何故か悲しかったです。。。(音もそんなに良くない。)

Steeple Chase もミュージシャン及び演奏風景で、ジャケットデザイン押してくる派です。
代表的ミュージシャンの一人として、ケニードリューさんに登場いただきます。


いかがでしょうか?
どれも似たりよったりのポートレート。
少しはしてるかもしれませんが。。デザイナー仕事してますか?
文字のデザイン、大きさ、配置、そういったところも大事ですよねー!

Steeple Chase には同様にホレス・パーラン、デューク・ジョーダンなんかの作品も多数ありますが、上記ドリューさんと同じようなジャケットデザインばかりなんですよ~

Steeple Chase は録音のいいのが結構あるので、このジャケット・デザインのセンスはちょょっと残念です。。

(それにひきかえ)ホレス・パーランのブルーノート代表作 US THREE
このジャケットセンス、好きです。数字のデザインだけでアートしちゃってます。



Jazz音楽とジャケットに関する一考察(2)2020年04月27日

音楽アルバムは、その音楽内容をアルバムジャケットでも表現している(まあ一般的に)

ところでジャズファンは、オーディオマニアで音にこだわる人も多いと思います。(多分。そうですね。)
やれ、ドラムがズシンとこなくちゃだの、ベースがブイーンとこなくちゃどうだのとうるさい人が多い(はず)
それは、自分の聞いているオーディオ装置が大切で、それを調整する(イジル)のが趣味という世界ですね。
装置だけでなく、場合によっては録音がいいとか悪いとかも口出しをします。
レーベルによる音の良し悪しや、音作りの特徴なんてのもありますよね。

結構好きなのが、(ブルーノートとかはおいといて)日本のヴィーナス・レコードです。
ちょっと作りすぎかというくらい、ドラムがズシンときますし、べースがブイーンと唸りをあげ、ピアノはツヤツヤです。こだわりがあるんでしょうね。
で、このレーベル、アルバムジャケットがまたすぐに、ヴィーナスってわかるくらいのこだわりです。。
もちろん、いろいろありますが一番多いパターンは。。。ズバリ女性ヌード!

例えば↓はEddie Higgins (エディ・ヒギンズ) による Standards By Request: 1st Dayと2nd Day  水着の白人美女があしらわれています。これ内容となんか関係あるか?
でもまあ、いいです。なんとなく甘美なメロディーなど表現しているということで。。



↓はどうでしょうか?
女性の後ろ姿です。すでに完全ヌードもありますが、右上の一枚は、画家のアトリエにおけるヌードモデル写生会ということにして、下2枚はゴヤ 「裸のマハ」的雰囲気もあり、アート作品として捉えましょう。



↓はいかがでしょうか?もはやスッポンポンに限りなく近く、しかもポーズよ~( ;∀;)


お気づきのように作品のミュージシャンはいろんな方々です。にもかかわらずジャケットのセンス・イメージは統一されており、ヴィーナスというレーベルの主張を打ち出しているのではないかと考えられます。ある意味なかなか過激なんではないか?

これは製作者の好みか!あるいはセールスするための戦略か?
はっきり言ってジャズファンは、男性かつご年配者が多い(と思う。そうですよね。)が、このジャケットデザインで売れてるとしたら、うーん。(ま、それはそれでいいかも)

ちなみに、どの作品も演奏は素晴らしく、音質もズシーンときますですよ!はい。