ジャズファンは優しい2020年05月02日

ジャズという音楽は怖いらしいと書きましたが、それに対して聴く側のジャズファンは実に優しいのではないでしょうか。

ジャズを演奏するときに唸る人が居ますよね。そうです。キース・ジャレットです。彼の代表作の一つケルンコンサートでも、演奏が盛り上がってまいりますと唸りまくりです。
私、初めて聞いたときは何が起こっているのか理解できませんでした。

彼は自己陶酔というか、自分の音楽に酔って、よく言えば触発されて唸っているのです。
ピアノですから、声を出すのは可能で、残念ながら?サックスやトランペットでは無理です。

キースは言うまでもなく、超大物ピアニストですから、彼がやるなら、私も、俺も、オイラだってというわけで、演奏中に唸る人結構ジャズ界にはいます。
ピアノ以外でもベーシストやドラマーなども唸る人います。
決して歌っているわけではないです。(本人はそのつもりかも)
しかし、聞く方からしますと、うー、うーんとか、ああん、とか地声で言われても。。。

アンタ(演奏者)、いったい誰のために演奏しているのですか?
聴衆(リスナー、お客さん)のためではないのですか?そうですよね。
ならばその声出すの我慢しなさい!と言いたくなるところです。
が、優しいジャズファンは一定の理解を示すんです。
「まあ、ライブだし、キースだからしょうがないよ。」とか、むしろそのだみ声を「キースらしいね。」とかいってありがたがったりしてしまうんです。
お優しい。他のサービス業?では許されませんぜ。

と言いつつ、私ジャズのわりとルーズというか、いい加減というかそういうところ好きですね。

セロニアス・モンクの代表作の一つ「Monk's Music」、2曲目の「Well You Needn't」、
モンクの次、コルトレーンへ演奏移るときに、にモンクが「コルトレーン!コルトレーン」と叫んでます。
何?何?コルトレーン、演奏中に居眠りで起こされている??
それは普通演奏やり直し、録音とり直しでは?
この作品では他にも、ん?と思えるところがあるのですがそれでもオッケー。細かいことにこだわるなよ~。というわけです。
ほんでもってなかなかイイねとジャズファンの皆さんはおっしゃる。

ビル・エヴァンスの名作、ヴィレッジヴァンガードのライブです。



ビル・エヴァンス・トリオが1961年にヴィレッジ・ヴァンガードに出演した時の演奏は「WALTZ FOR DEBBY」と「Sunday At The Village Vanguard」に大半が収録されていて、それぞれ、アルバムがリリースされています。
で、ほとんどのジャズファンはお持ちのはずです。
にもかかわらずこの「Complete Village Vanguard Recordings 1961」をまた買ってしまうんですよね。この Complete  って単語に弱い。。。
私、今でこそ Spotify で聴き放題ですが、ぜーんぶ買ってしまったんですよ( ;∀;)

で、このアルバム、びっくり仰天なのがしょっぱな、突然の停電のため、録音が途中で途切れているんですよ。そんなハプニングがあって、それをなんとジャズファンの熱い希望で収録したって。なんという泣けるエピソードでしょうか。。。
普通、そこは要りませんよね。なのにあるジャズファンは、それを聴いて、まるでその場に居合わせたかのように感動できるって、あなたその時いったい、おいくつなんですか~?
ジャズファンっていい人ばかりです。

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